国内人権機関とは、すべての人が持つ人権を守るために国が設置する組織で、人権が別のだれかに踏みにじられたり、奪われたりしないように活動する組織です。人権とは、すべての人が生まれたときから持っている人としての権利で、だれかの人権を踏みにじったり、奪ったりする行為を人権侵害行為といいます。
国内人権機関とは、具体的にはどういう取り組みをするのでしょうか?その役割については、国連総会で作られたパリ原則というガイドラインがあります。まずは、このガイドラインに沿って、国内人権機関の役割を簡単に見ていきましょう。(福井 昌子)
国内人権機関はその国の人権がきちんと守られるようにするためにさまざまな取り組みをする組織です。そのために、他の国の国内人権機関や人権問題を扱う国連のさまざまな機関などとも協力したり、情報を交換するなどしています。その意味で、国際組織や他の国の姿勢や取り組みを見て、いわば世界の一般常識を確認しながら、日々の取り組みを続けているのです。
それでは、国内人権機関が関係する国際的なネットワークにはどのようなものがあるのでしょうか。
アジア太平洋地域で国内人権機関に関わっているNGOはネットワークを作り、情報を交換したり、共同声明文を出すなどの協力をしています。ここでは、国をまたがったNGOのネットワークと、インドと日本にある国内のネットワークを取り上げます。