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  4. 1.国内人権機関とは
  5. (2)国内人権機関が責任を果たすために大事なこと

1.国内人権機関とは

(2)国内人権機関が責任を果たすために大事なこと

 国内人権機関が責任を果たし、役割をきちんとこなすためには、どういう組織であることが必要でしょうか?

  • ①人
    •  国内人権機関が、政府や政治家や、大企業といった強い力を持つ人たちに都合のいい意見にまどわされず、「人権を守るためにはどうすることが一番いいのか」「人権が守られない社会や状況を変えるためにしなければならないことは何か」を考えて活動できるように、いろいろな考え方の人、いろいろな立場の人を公正に選ぶことが大事です。
       政府や国会議員などだけで選ぶことのないように、NGO、弁護士、大学の教員、ジャーナリストなど、人権に関心を持ち、人権を守るために取り組んできた人びとにも参加してもらい、公正な手続きで選ぶことが欠かせません。
  • ②お金
    •  人も大事ですが、国内人権機関が十分に活動できるだけのお金があることも大事です。とくに、職員を雇い、事務所などの場所を持つだけの十分なお金を持ち、政府などの影響を受けずにそのお金を手に入れ、使えることができなければなりません。その理由は、もし、国内人権機関が政府や役人たちの気に入らない意見を持っていた場合に、政治家や役人たちが自分たちに都合の悪い意見ばかりを言うからとして国内人権機関の活動資金を一方的に減らしてしまったら、国内人権機関が人権を守るために十分に取り組むことができなくなります。人権を守るための活動が十分できるようにしておくために、国内人権機関が自由に使えるお金を持っていることが大事なのです。
  • ③はっきりした権限、任務
    •  国内人権機関の委員にいろいろな考え方の人が選ばれても、その人たちが落ち着いて仕事ができるような環境がなければ、どれだけ能力があっても、いい仕事をすることはできません。そのためにはまず、国会が、「この人に仕事を任せます」と正式に決定することが必要です。その決定をする話しあいがどのようなものであったのかを、後からでも、だれでも確かめられるようにしておかなくてはいけません。また、仕事を依頼するときには、どれくらいの期間その仕事を任せるのか(任期といいます)をはっきりと示さなくてはなりません。この期間は、政府や企業などによって一方的に短くされることがないようにしておくことも必要です。

      <参考>
      どういう国内人権機関にするべきかについて、1993年に国連でガイドライン(「パリ原則」といいます)が決められました。詳しくはこちら。