人権を踏みにじられたという相談を調査する仕組みを作るよう、初めて日本にアドバイスをしたのは、自由権規約という条約を監視する委員会(「規約人権委員会」)で、1998年のことでした。その後も、人種差別、経済や社会や文化に関する権利、女性差別、子どもの権利、拷問の禁止についての条約の委員会などから、同じようなアドバイスを受けています。
国連のメンバー国は4年半に一度、他のメンバー国から人権に関するアドバイスを受ける機会があります(「普遍的定期審査」)。日本は、2008年5月と2012年12月にこのアドバイスを受けました。その両方で、独立した国内人権機関を早く作るように、といったアドバイスがされています。
また、2010年には、国連人権高等弁務官であるナバネセム・ピレイさんが来日し、政府の関係者やNGOのメンバーなどと人権について話しあいました。このとき、国内人権機関についてはとくに強い関心を持ち、話を聞いてくれました。このときピレイさんは新聞社のインタビューで「政府から独立した人権委員会」が作られることを期待している、と話しています。
このように、日本は15年以上も、世界中から、国内人権機関を作るように求められているのです。