「女性性的少数者人権運動の集い『キリキリ(仲間同士の意)』」と「同性愛者人権連帯」の代表者が、青少年保護法施行令の規定が性的指向による人権侵害であるとして申立をしていた事案に対し、韓国国家人権委員会は03年4月2日、同性愛を差別的に明示した同施行令が憲法の幸福追求権・平等権・表現の自由などを侵害するものであると判断して、青少年保護委員会委員長に同施行令の有害メディアの審議基準から同性愛を削除するよう勧告した。
国家人権委員会の調査結果によると、青少年保護法施行令第7条の個別の審議基準の中で、同性愛が、近親相姦や集団セックスなどとともに社会通念上許容できない性関係を助長するものとして規定されていた。これに関連して、Web上の「わいせつ物遮断プログラム」を作成している会社の中には、申立人の上記2団体を含めた同性愛関係のサイトを「青少年に有害な情報を与える」として接続を遮断するものがあった。
人権委員会は、さらに米国精神医学会が、1974年に精神疾患のリストから同性愛を削除していること、WHO(世界保健機関)が1993年発刊したICD-10(世界疾病分類)では、「性的指向は、精神的障害と何ら関連がない」と述べていることを紹介し、同性愛が性的指向の一つであると認めることが世界の趨勢であるという見解を示した。
(2003年04月02日 掲載)