超過滞在者など非正規に滞在している外国人対策と難民認定制度の一部見直しを目的とした「改正出入国管理・難民認定法案」が、5月27日の衆議院本会議で可決され、成立しました。
主な改正点は、「不法滞在者」を減らすために、罰金額の上限を従来の30万円から300万円へと10倍にすることや、過去に強制退去をさせられた外国人の 「不法滞在」が再び発覚した場合、再入国拒否期間を現行の5年から10年に延長するというものです。また、在留資格の交付や更新の際には入国管理局によっ て審査が行われていますが、今回の改訂では、「在留資格の取消し制度」が導入され、事実上、審査が随時行われることとなりました。
一方、「不法滞在者」が自ら出頭した場合は、身柄の拘束はせずに、15日以内に出国させる「出国命令制度」が新設されます。同制度に基づいての出国の場合、日本への再入国拒否はこれまでの5年から1年に短縮されます。
難民認定制度に関しては、難民不認定に対する異議申し立ての審査に、第3者の「難民審査参与員」(法務省から独立した機関ではない)がかかわる制度が導入 されます。また、難民認定を申請する際には、これまで入国から60日以内に行わなければならないと規定されていましたが(いわゆる60日ルール)、期間が 6ヶ月以内へと延長されました。
今回の入管・難民認定法の改定に対して、「移住労働者と連帯する全国ネットワーク」は、日本社会の多文化共生に向けた前進や、国際社会との共存、そして在日外国人の人権の観点から抗議声明を出しています。
→国会に提出された法案
(2004年06月01日 掲載)