国連が2000年9月に開催した「ミレニアム・サミット」で採択された「ミレニアム宣言」をもとに、2015年までに世界の貧困や飢餓を半減させ、すべて の子どもたちが初等教育を終えることができるようにすること、すべての教育レベルで男女格差をなくす、乳幼児死亡率の削減など8項目からなる「ミレニアム開発目標」(MDGs)が設定されてから5年が経過しました。この目標に向けて、アジア・太平洋諸国でもさまざま取り組みが行われてきました。
アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)、国連開発計画(UNDP)、アジア開発銀行の3機関は、これまでに前進したこと、障壁とその克服のための課題などに関する報告書『手の届く範囲の未来』(A Future within Reach)を2005年9月7日に発表しました。今回の報告書は、2003年の『貧困削減の実現に向けて』(Meeting the Challenges of Poverty Reduction)に次ぐ2回目のものです。
『手の届く範囲の未来』では、アジア・太平洋地域内において人口が増加しているにもかかわらず貧困者の絶対数は減少していると報告しています。しかし、飢餓に関してはあまり改善されておらず、タジキスタンでは61%、北朝鮮では36%の人々が飢餓にあえいでいます。
また、1990 年から2015 年までに、5 歳未満の幼児死亡率を3分の2 引き下げるという目標に関しては、データが入手できた47カ国のうち半分が目標を達成した一方、他の半分はその途上にあったり、達成困難であると判断されています。
報告書は、そうした「ミレニアム開発目標」の成果を具体的にあげる一方で、すべての目標達成を実現するためには、今後10年間にさらに大きな資源が投入され、適切な制度改革が行われ、とりわけ最貧困層や社会的弱者に関心が払われなければならないとしています。
ミレニアム開発目標報告 2005 https://selectra.jp/sites/selectra.jp/files/pdf/MDG_Report_2005.pdf
(2005年09月01日 掲載)