8月3日から7日、国連人権理事会諮問委員会の第3会期が開催され、ハンセン病患者などおよびその家族に対する差別の撤廃に関する原則と指針案などが採 択されました。
この原則・指針案は第1会期より人権理事会から諮問委員会に対して起草の要請が出され、神戸大学教授の坂元委員が任命されていました。採択され た案は、ハンセン病患者などおよびその家族が、尊厳をもつ、あらゆる基本的な権利と自由を保持する人であることを確認し、ハンセン病を理由とした差別を受 けたり、基本的自由を剥奪されたりすべきではないこと、市民権、結婚や家族をもつこと、被選挙権や公務につくこと、雇用、教育などについて平等であるこ と、自分たちに関わる政策決定に参加する権利があることなどを原則としています。
また、指針として、これらの人びとを差別、強制隔離などする法律や政策の改廃、個人、組織や民間団体からの差別を撤廃する措置をとること、離れ てしまった家族の再会の支援、共同体での生活・参加、政治への参加、雇用、教育など支援、生活水準の向上促進、啓発などをあげています。
諮問委員会は、人権理事会に対して、国連機関や加盟国にこの原則・指針案をハンセン病患者などに関わる政策策定・実施の際に考慮するよう要請 し、病院、教育機関、企業、報道機関、NGOなどを含む社会のあらゆる構成員にその活動の際に考慮するよう要請することを提言しています。
諮問委員会は、そのほかにも人権教育・研修、食糧の権利の文脈における差別などについて提言を採択しています。(8月12日)
出所:
Human Rights Council Advisory Committee Concludes Third Session 8月7日付国連人権高等弁務官事務所プレスリリース
Compilation of recommendations adopted by the Advisory Committee at its third session (A/HRC/AC/3/L.8)
参考:
「国連人権理事会・諮問委員会第1回機開催」 ヒューライツ大阪ニュースインブリーフ
(2009年08月01日 掲載)