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国連人権理事会、人権教育世界プログラム第2段階について決議、ガザ地区での紛争に関する決議は持ち越し

 国連人権理事会の第12会期が9月14日から10月2日まで開催されていましたが、1日、人権教育のための世界プログラムの第2段階では、高等教育と、 あらゆるレベルにおける教員、教育者、公務員、法執行官、軍関係者の人権研修に重点を置くこととする決議を採択しました。第2段階は2010年1月から 2014年末までとされました。
2005年から始まり、1度の延長を経て2009年末まで続く、世界プログラムの第1段階では、初等・中等教育における人権教育が取りあげられ、 実施のための行動計画がつくられています。今回の決議では、まだ初等・中等教育に人権教育を取り入れていない国に、行動計画に基づいて人権教育を導入する ことを促し、また各国に第1段階の評価報告を作成するよう求めています。これらの報告は国連の人権教育に関する調整委員会でまとめられ、最終報告が作成さ れます。さらに、決議は国連人権高等弁務官事務所に、第2段階についてもユネスコなど他の関連する国連機関や非政府団体などと協力して行動計画をつくるよ う要請しています。
 また、人権理事会が設置した、ガザ地区での紛争に関する事実調査団の報告も今会期で審議されました。報告は、2008年12月から2009年1 月に起こった軍事行動に関して、イスラエル側、パレスチナ側双方に人権法や人道法の違反があり、戦争犯罪にあたり得る行為もあったことを指摘しました。さ らに、人権理事会がこの報告を安全保障理事会、国際刑事裁判所の検事に提出する、安全保障理事会がイスラエルに重大な人権法、人道法の違反に関して捜査を 行うよう求めるなど、国連機関に対する勧告、イスラエルに対する封鎖解除、交戦規則の見直しなどの勧告、パレスチナ側に対する人道法の尊重、政治犯の釈放 などの勧告をしています。この報告に関する決議案は、次会期に持ち越されました。
 第12会期ではその他、女性に対する差別について、国内に残る性別に基づく差別を行う法律を廃止し、政治的、経済的、社会的意思決定の場への十 分で平等の参加を確保することなどを求める決議、人権と安全な飲料水や衛生について、排水処理など衛生面での不備に対応する国や地方の行動計画などを求め る決議、食糧の権利の実現を妨げる政策を見直すことを求める決議などが採択されています。
 また、6月にクーデターが起きたホンデュラスについて、人権の尊重と民主主義、法治主義の回復を求める決議、ミャンマーについて、アウンサン スーチーさんや他の政治犯を解放し、2010年の総選挙への参加を可能にすることを求める決議を採択しています。

出所
Human Rights Council Adopts Fifteen Resolutions and Two Decisions 国連プレスリリース 10月1日付  

Human Rights Council Concludes Twelfth Regular Session 国連プレスリリース 10月2日付

ガザ地区紛争に関する国連事実調査団報告 A/HRC/12/48

参考
国連人権理事会、人権教育世 界プログラムなどについて決議」ヒューライツ大阪ニュースインブリーフhttps://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section1/2009/04/post-36.html

(2009年10月01日 掲載)