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ILOが児童労働に関する報告を公表
5月7日、国際労働機関(ILO)は、児童労働に関するグローバル・レポート「反児童労働行動の加速化」を公表しました。2006年に出された、前回の児童労働に関する報告では、児童労働に従事する子どもや危険な労働に従事する子どもの数の大幅な減少を受け、2016年までには最悪の形態の児童労働をなくすことが可能かもしれないとしていましたが、今回の報告では、児童労働の減少は続いているものの、そのペースが不均衡で、進展が見られない分野などがあるなど、懸念が見られます。
報告によると、全体としては、08年に2.15億人の子どもが児童労働に従事し、04年に比べて3%減と減少は続いています。危険な労働に従事する子どもは1.15億人でした。地域別で見ると、アジア・太平洋や中南米、カリブ地域では減少傾向が続きましたが、サハラ以南のアフリカでは、逆に増加しています。もっとも、数では、アジア・太平洋が最も多く、1.13億人が従事しています。また、労働に従事する女の子の数は15%も減りましたが、男の子や15歳から17歳の年長の子どもの数は増えています。
またこの間、ILOを含む国際機関、地域、国や市民社会でさまざまな取り組みが行われてきたことがあげられ、特に教育の重要性が指摘されています。一方、初等教育の普及も含めたミレニアム開発目標の達成が思わしくなく、2016年の撲滅のためには一層の取り組みが必要であると述べています。また、児童労働の数が多い農業分野での進展が必要であることもあげられています。
ILOのグローバル・レポートは、1998年に採択された「労働における基本的原則および権利に関するILO宣言とそのフォローアップ」に基づいて、強制労働、児童労働の禁止、結社の自由、差別禁止について毎年1つを取りあげ、事務局長が4年間の進捗状況について報告としてまとめ、総会に提出するものです。今度のレポートは、オランダのハーグで5月10日と11日に開催された児童労働世界会議に先立って公表されました。(2010年5月12日)
参照:
参考:
「児童労働に関するILOグローバル・レポート」ヒューライツ大阪ニュースインブリーフ(2006年5月)
https://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section2/2006/05/ilo-6.html