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全国初、「障害のある女性」への複合差別について盛り込んだ条例が京都府で成立(2014年3月11日)

  2014年3月11日、京都府議会本会議にて「障害のある人もない人も安心して生き生きと暮らせる社会づくり条例」が可決、成立した(施行は2015年4月)。 

 この条例は、都道府県の障害者差別禁止条例としては、千葉県や熊本県などに続いて全国で7番目となるが、特筆すべきは、全国で初めて「障害のある女性」が「複合的な原因により特に困難な状況に置かれる」という文言(第2条)や、また「性別」への配慮という文言(前文、第2条、第8条)が入ったことである。これは、条例制定の過程で、京都府の検討会議委員の一人である障害女性が、事例を示しながら繰り返し訴えてきたことが実ったものである。

 日本が先ごろ(2014年1月)批准した障害者権利条約の第6条には「障害女性」条項があり、複合差別を受けている女性・少女の人権擁護が定められている。また2013年6月に成立した「障害者差別解消法」(施行は2016年4月)の附帯決議の中にも複合差別が言及された。しかし法律・条例の本文で複合差別について明記されることはなかったため、今回の京都府の条例が貴重な先例になることが期待される。

(松波めぐみ)

参考:「障害のある人もない人も共に安心していきいきと暮らせる京都づくり条例(仮称)検討会議」(京都府のウェブサイトより) http://www.pref.kyoto.jp/shogaishien/1337560460940.html

  「障害差別解消法 -理想には遠いが、重要な一歩-」浅倉むつ子(早稲田大学教授)
『国際人権ひろば』 No.110(2013年07月発行号)より
https://www.hurights.or.jp/archives/newsletter/sectiion3/2013/07/post-213.html

「日本、障害者権利条約を批准、2月に発効(2014年2月)」(ニュースインブリーフ 2014年2月)https://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section3/2014/01/2-5.html

(2014年03月18日 掲載)