11月1日、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンから「子どもに影響のある広告およびマーケティングに関するガイドライン」が発表されました。
このガイドラインは、2012年に国連グローバル・コンパクト、セーブ・ザ・チルドレン、ユニセフが共同で策定した「子どもの権利とビジネス原則(CRBP:Children's Rights and Business Principles)」の「原則6:子どもの権利を尊重し、推進するようなマーケティングや広告活動を行う」の内容を具体的に展開するものと位置づけられています。
「子どもの権利とビジネス原則」は、子どもの権利条約やビジネスと人権に関する指導原則を踏まえながら、事業活動全体にわたって企業が子どもに及ぼす影響の観点から、子どもの権利へのマイナスの影響を排除する社会的責任と、子どもの権利を促進する役割を企業に求めています。その内容は、児童労働の撤廃、製品・サービスの安全性の確保、広告とマーケティングでの子どもの権利の尊重、環境や土地取得・利用での子どもの権利の尊重など10の原則にわたっています。
今回のガイドラインは、子どもの発達や特性に配慮しながら、安全性の確保、多様性や人権の尊重、個人情報とプライバシーの保護などを求める基本原則のもと、商品・サービスの過度の推奨、誇張、恐怖感・不安感、差別、固定観念、誤使用などの排除を広告表現に求めるとともに、景品の提供、会員組織への登録、番組内容と広告との区別、広告への子どもの起用、教育現場などでの広告など多岐にわたる面で適切な広告手法を求めるものとなっています。
なお、利用については、広告主や制作会社などの事業者や関連団体が、広告およびマーケティングの指針とし、自社基準、自主規制の作成や組織体制の検討などにおいて活用されることを意図しているとされています。
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンでは、ガイドラインの完成を記念して、12月1日に完成記念シンポジウムを開催するとしています。
(参照)
(2016年11月11日 掲載)