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国際女性デー:国連の人権専門家、「月経に関する健康はもはやタブーであってはならない」

 人権理事会の特別報告者など国連の人権専門家たちが、国際社会に対して、女性の月経に関わる健康をめぐるタブーを破り、差別的な考え方をあらため、女性と少女の月経に関わる健康が保護されるよう確保することを呼びかけました。
人権専門家たちは、2019年3月8日の国際女性デーを記念する共同声明を出し、「月経をめぐる根強い、有害な社会的・文化的規範、スティグマ(汚名の烙印)、誤解やタブーが女性と少女の排除と差別をもたらし続けている」と述べました。
「月経をめぐるステレオタイプが生み出すスティグマや羞恥心は、平等、健康、住居、水、衛生、教育、労働、宗教または信仰の自由、安全で健康な労働条件、および差別なく文化生活及び政治生活に参加する権利をはじめとする女性と少女の人権のあらゆる側面に重大な影響を及ぼす」と専門家たちは言いました。
「一部の国では、月経中の女性と少女はけがれており、不純だとみなされ、水に触れたり調理すること、宗教的および文化的儀式への参加、宗教的または文化的施設の敷地への立ち入り、コミュニティの活動への参加の禁止といった規制が課されている。月経中の少女は屋外の小屋に追いやられ、寒さと孤立に苦しみ、しばしば病気や動物の襲撃の危険にさらされる。この期間、女性と少女が感じるスティグマや羞恥心と合わせて、それは本当に彼女たちの力を奪うものになる」。
女性と少女はまた、利用できる衛生用品やジェンダーに配慮した施設が不足していることに関する問題にも直面する。さらに、教育施設や職場における女性と少女の月経に関連する健康ニーズへの配慮の欠如によって、学校の出席率や職場の出勤率、ひいては彼女たちの経済的向上にも影響し、ジェンダー平等を損なう、と専門家たちは述べます。
月経に結び付いた差別的な慣行を違法化し、月経の間の女性と少女のニーズに応じた政策を実施している国もありますが、世界中で女性の月経サイクルに関連する人権の課題は依然として政策立案者からほとんど無視されています。
「女性と少女の月経に関する健康のニーズに取り組むとともに、それに取り組まないことは女性の生活のあらゆる分野に不利な影響を与えることを認識するためにさらに多くのことがなされなければならない。国連機関、市民社会組織、女性団体及び教育界及びビジネス界の協力のもと、月経に関する知識を向上させるために包括的で、偏見に基づくことなく、正確でアクセス可能な情報を通して神話や誤った情報と闘わなければならない」と専門家たちは呼びかけています。
(翻訳・岡田仁子)
共同声明に加わった国連人権専門家:
イヴァナ・ラダチッチ(法および慣行における女性に対する差別に関する作業部会議長)、カリマ・ベソウネ(文化的権利の分野における特別報告者)、ダニウス・プレス(達成可能な最高水準の身体的および精神的健康に対するあらゆる人の権利に関する特別報告者)、コンボウ・ボリ・バリー(教育の権利に関する特別報告者)、レオ・ヘラー(安全な飲料水・衛生に対する権利に関する特別報告者)、ドゥブラヴカ・シモノビッチ(女性に対する暴力、その原因および結果に関する特別報告者)、スリヤ・デバ(人権・多国籍企業・他の企業に関する作業部会議長)
特別報告者などの国連人権専門家は、人権理事会に任命され、特定の国や地域における人権状況や、テーマ別に人権状況について調査、報告、勧告などを行う専門家。
 
<出典>https://www.ohchr.org/EN/NewsEvents/Pages/DisplayNews.aspx?NewsID=24258&LangID=E (国連人権高等弁務官事務所)
International Women’s Day - 8 March 2019 Women’s menstrual health should no longer be a taboo
<参照>
https://www.hurights.or.jp/archives/newsletter/section4/2018/01/post-41.html
国際人権ひろば No.137(2018年1月発行号)
インドにおける「ガオコル」-女性の命を脅かす慣習  ディリプ・バールサーガレー(Dilip Barsagade)

(2019年03月08日 掲載)