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11人の国連人権専門家、フィリピンの人権侵害の調査を理事会に要請(6月7日)
アグネス・カラマルド超法規的殺害に関する特別報告者をはじめ国連人権理事会が任命した人権問題に関する専門家11人が6月7日、フィリピンにおいて法律に基づかない多数の殺害(フィリピンでは死刑制度を廃止)が継続的に起き、人権状況が悪化している事態を受けて、人権理事会に対して独立した調査を行うよう要請しました。
フィリピンでは、2016年に就任したドゥテルテ大統領によるいわゆる「麻薬撲滅戦争」のもと、薬物犯罪の容疑者とみられる数千人が法律に基づかずに殺害されるとともに、労働運動をはじめとする人権活動家が何者かに殺害されています。
フィリピンのメディアやNGOなどによると、加害者は、軍隊、準軍事組織、警察などといわれています。
国連の人権専門家は2016年6月から現在までの3年間に33回にわたりフィリピン政府に対して憂慮を表明し、人権状況の改善および国連による調査の受け入れを求めてきました。
しかし、ドゥテルテ大統領は、批判的なメディア、政治家、政府官僚などに脅迫的な言葉を浴びせたり、国連の専門家を侮辱する発言を行ったりしています。
ドゥテルテ大統領は、国際刑事裁判所(オランダ・ハーグ、ICC)がフィリピンの薬物犯罪捜査をめぐり予備調査に乗り出したことに反発し、2019年3月に脱退しました。
<出典>
UN human rights experts call for independent probe into Philippines violations(7 June 2019)
<参照>
フィリピンからサトウキビ労働者組合の活動家来日-超法規的殺害を報告(5/11、大阪)