SDGs市民社会ネットワークは2020年3月27日、「今こそ、SDGsの理念に基づく対策を」と呼びかける新型コロナウイルスに関する声明を出しました。
声明では、「一時的な隔離と遮断の奥底に、あらゆる差別、断絶を超えた連帯と包摂の精神を据えることが必要です」とし、「COVID-19への対応が、国や都道府県の境界、疾病や障害の有無、ジェンダー、人種、年齢などに基づく分断と排除につながるようなことがあってはなりません」と強調しています。
その上で、SDGsの目標とも関連づけながら、①未来世代を含めた「誰一人取り残さない」経済的・社会的包摂のための施策の導入を、②隔てられた物理的距離をつなぐ連帯と包摂を、③透明性と公開性を担保し、民主主義と法的手続きを遵守した政策形成と対応を、との3つの提言がなされています。
そして、「社会的距離戦略」を基調とする世界中のすべての対策が、「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)と地球規模感染症対策の重点化、人権の尊重、ジェンダー平等、貧困・格差の解消、経済的・環境的公正、教育機会の保障など、SDGsの理念を踏まえて実施される」ことを求めています。
新型コロナウイルスをめぐっては、ミチェル・バチェレ国連人権高等弁務官が「コロナウイルス対策には人権を最前線かつ中心に据えるべき」と発信したことをはじめ、こうした危機的状況でこそ、差別や偏見を排し、社会的に脆弱な、周縁に追いやられている人びとを大切にすることとを求める声が国内外で上がっています。
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(2020年04月01日 掲載)