化粧品や健康食品などを販売する株式会社ディーエイチシー(DHC)のオンラインショップのサイトに、2020年11月付の在日コリアンなどを差別・中傷する文章が同社会長名で12月中旬までに掲載されました。それに対して、Twitter上では、「#差別企業DHCの商品は買いません」などのハッシュタグのもとで批判メッセージが寄せられています。
この文章は、DHCの公式サイトに掲載された「ヤケクソくじについて」と題する吉田嘉明会長による同社のサプリメントについて書かれたもので、競合する他社について「CMに起用されているタレントはどういうわけかほぼ全員がコリアン系の日本人です」と記したうえで、その企業名を在日コリアンの蔑称を用いて揶揄する一方、DHCは「純粋な日本企業」と述べています。
同文章はヘイトスピーチだとして、人種差別撤廃NGOネットワーク(ERDネット)や反差別国際運動(IMADR)など13団体が連名で2020年12月23日、DHC社に対して抗議文を送付しました。ヒューライツ大阪も賛同しています。
抗議文は、この文章は朝鮮半島にルーツをもち日本で暮らす在日コリアンを著しく貶め、侮辱するもので、在日コリアンに対する憎悪と差別を扇動する内容であり、決して許されるものではない、と述べています。
また、同文章は、在日コリアンを誹謗中傷する一方で、日本人の優越性を流布しようとしており、日本を含む182カ国が批准している国連の「人種差別撤廃条約」が明確に禁止している行為だとしています。また、2016年に施行された「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」(ヘイトスピーチ解消法)の「不当な差別的言動」そのものであると指摘しています。
抗議文はさらに、企業として国連が2011年に定めた「ビジネスと人権」の指導原則の遵守を求め、一刻も早く記事を削除し、誠意ある対応をとるよう要請しています。
2021年1月4日現在、問題の文章はDHC社のサイトに掲載されたままです。
抗議文.pdf
(2021年01月04日 掲載)