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国連人権理事会、パレスチナの人権状況に関する調査を決議(5/27)

 国連人権理事会は5月27日、東エルサレムを含むパレスチナの人権状況に関する特別会期を開催しました。
バチェレ人権高等弁務官は、パレスチナとイスラエルの最近の衝突について、東エルサレムのシェイク・ジャラ地区に住むパレスチナ人がイスラエルの入植者により強制的に立ち退きを迫られていること、アル・アクサ・モスクへの治安部隊の投入により、何千もの人々がラマダン期間中、礼拝のために入ることができなくなったことの二つの要因によると説明しました。
ガザ地区を実効支配するハマスが、イスラエルにアル・アクサとシェイク・ジャラからの撤退を求めたものの受け入れられなかったことから、イスラエルに対して攻撃を行ったといういきさつです。イスラエルは、それに対してガザ地区への攻撃を行いました。
人権高等弁務官事務所は、パレスチナ側では子ども63人を含む242人、イスラエル側では子ども2人を含む10人が亡くなっていると報告しています。人権高等弁務官は、建物への双方の攻撃が軍用、民用の区別なく対象としており、国際人道法の違反となり得ることを指摘しています。
東エルサレムには、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地があり、パレスチナは東エルサレムを、イスラエルはエルサレム全域を首都としています。
人権理事会は、パレスチナの人権状況について独立調査委員会を設置し、2021年4月13日以降のイスラエルと東エルサレムを含むパレスチナにおける国際人道法および国際人権法違反、民族・宗教による制度的差別を含む紛争の原因について調査することを決定しました。委員会は、人権理事会の50会期(2022年6~7月)と国連総会の77会期(2022年)以降、年毎にその活動について提出することになりました。
2021年3月3日には、国際刑事司法裁判所の検事部がパレスチナの状況について、調査を開始すると発表しました。同裁判所は、侵略、ジェノサイド、戦争犯罪および人道に対する罪を扱い、責任者を裁くことができます。
(構成・岡田仁子)
 
<出典>
https://www.ohchr.org/EN/HRBodies/HRC/SpecialSessions/Session30/Pages/30thSpecialSession.aspx
30th special session of the Human Rights Council on the grave human rights situation in the Occupied Palestinian Territory, including East Jerusalem – 27 May 2021
https://www.icc-cpi.int/Pages/item.aspx?name=210303-prosecutor-statement-investigation-palestine
Statement of ICC Prosecutor, Fatou Bensouda, respecting an investigation of the Situation in Palestine (international Criminal Court)

(2021年06月01日 掲載)