日弁連は、人権保障にかなった外国人労働者受入れ制度の構築を求めて、4月15日付で「技能実習制度の廃止と特定技能制度の改革に関する意見書」をまとめ、4月25日付けで、内閣総理大臣、法務大臣、厚生労働大臣、経済産業大臣、外務大臣など関係9省庁大臣および衆参両院議長に提出しました。
意見書は、冒頭で、1993年から続く外国人技能実習制度について、「直ちに廃止」を求め、2019年度から始まった特定技能制度について、特定技能1号と2号を一本化するとともに、現行の短期ローテーションによる受け入れ方式に対して、在留期間更新を可能とする制度を導入して定住化を進めることなどの抜本的な改革を要請しています。さらに、特定技能での受け入れ当初から、家族帯同の可能性を認め、転職の実効性の確保、ブローカーによる労働者に対する中間搾取の禁止を求めています。
そして、外国人労働者とその家族の人権保障と定住化支援のために、(1) 労働条件における国籍や民族を理由とする差別禁止の徹底、(2) 労働者の相談、紛争解決の仕組みの充実、(3) 日本語教育を含む職業訓練や職業紹介制度の充実、(4) 医療、社会保障、妊娠、出産、育児、教育、生活習慣等に関する情報の提供などを提言しています。
意見書は、A4サイズで33ページからなり、要請の理由を詳細に説明しています。
<出典>
https://www.nichibenren.or.jp/document/opinion/year/2022/220415.html
技能実習制度の廃止と特定技能制度の改革に関する意見書
2022年4月15日 日本弁護士連合会
https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/document/opinion/2022/220415.pdf
意見書全文
(2022年05月02日 掲載)