大阪府は、「大阪府在日外国人施策に関する指針」を20年ぶりに改正するために、2022年12月8日に改正案を公表し、2023年1月6日まで府民などの個人や団体からの意見を求めるパブリックコメントを受け付けていました。
改正案は、現行指針の策定から20 年が経過した現在、外国人数の増加(総数約25万人)や国籍の多様化(160を超える国・地域)など、府内で暮らす外国人の状況は大きく変化している事態を受けて、近年あるいはこれから渡日する人たちに力点を置く内容になっています。
それに対して、ヒューライツ大阪が提出したコメントは、大阪府においてこれまで、そしていまも多数を占める韓国・朝鮮籍の人たちなど日本の旧植民地出身者およびその子孫として世代を重ねて住む人たちをめぐる課題をおもに取り上げました。
たとえば、韓国籍・朝鮮籍の人の多くは、「日本の植民地政策により、第二次世界大戦以前から暮らしている人とその子孫であり、戦後 、様々な事 情から日本にとどまることとなった方々です。それらの人々はサンフランシスコ平和条約の発効に伴い、日本国籍がなくなり、外国人とされました」とコメントしました。
また、国連の人種差別撤廃委員会や自由権規約委員会による日本への総括所見を示しつつ、特別永住者(旧植民地出身者とその子孫)をはじめ日本に定着して暮らす外国人の地方参政権付与のための法整備」を国へ要望するようコメントしています。
大阪府によると、改正案は、今回のパブリックコメントや、2023年2月の大阪府議会を経て、3月末までにまとめられ、新年度の4月から新しい指針が施行する計画だといいます。
大阪府在日外国人指針案コメント(ヒューライツ大阪)23.1.4.pdf
大阪府在日外国人の施策に関する指針(改正案)22.12.8.pdf
(2023年01月10日 掲載)