政府が今国会に提出を予定している「出入国管理及び難民認定法」(入管法)改定案に対し、「入管の民族差別・人権侵害と闘う全国市民連合」の呼びかけで2月23日、東京、名古屋、大阪など全国9都市で、集会やデモなどで廃案を求める「全国一斉アクション」が行われました。
入管法改定案は、祖国で迫害の恐れがあったり、日本に家族がいるなどの理由で退去強制に応じない外国人をも送還しやすくすることなどを目的に、2021年に国会に提出されました。しかし、難民申請中でも送還が可能になることなどが大きな問題とされるとともに、同年3月に名古屋入管に収容中のスリランカ人女性が死亡した事件が起きたことから、反対の声が強まり、政府・与党が成立を断念し廃案になりました。
それにもかかわらず、今回予定の法案は旧法案の骨格を維持しており、市民団体の反対の声が高まっています。
大阪では、大阪市庁舎前の中之島公園に約150人が集まり集会を開き、「外国人を差別する入管法の改悪に反対」と声をあげ、中心部をデモ行進しました。
国連自由権規約委員会は2022年11月に公表した日本についての総括所見の「難民・庇護希望者などの外国人の処遇」のパラグラフのなかで、以下のような勧告を出しています。改定案は、これらの勧告とは相いれない内容です。
・国際基準に沿った包括的な難民保護法の整備
・適切な医療へのアクセスなど入管収容施設での処遇改善
・ノン・ルフールマン原則の徹底と、強制送還の停止効力を持つ独立した司法メカニズムへの不服申し立ての保障
集会参加者によるデモ行進(大阪市内)
(2023年03月01日 掲載)