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「開発協力大綱」策定を控え、市民社会ネットワークが外務省とオンラインで意見交換(6/2)

 外務省は政府開発援助(ODA)など国際協力の指針である「開発協力大綱」を改定する作業を進めており、6月中に新大綱が閣議決定されるとみられています。外務省は2022年9月以来、有識者や市民社会、経済界などからの意見聴取を経て、新大綱案をまとめ、4月5日から5月4日まで意見募集(パブリック・コメント)を実施しました。
 新大綱策定の最終段階に差し掛かったいま、「開発協力大綱改定に関する市民社会ネットワーク」は5月26日、市民社会として「これだけは同大綱に反映させてほしい」、という課題を5つ選び「市民社会からの最後のお願い『五か条プラス1』」として外務省に文書を提出しました。そして、同ネットワークは6月2日、新大綱策定を担当している外務省の日下部審議官(NGO担当大使)とオンラインでの意見交換会を開催しました。同審議官は、今回の改定プロセスで、対面およびオンラインによる市民社会組織と幾度も意見交換を重ねてきました。
 「市民社会ネットワーク」は、開発協力大綱の改定に市民社会の意見を反映させ、真に持続可能な開発、人間の安全保障に資するODAを推進することをめざし、市民団体と個人が集まり2023年1月に組織されたものです。
 今回、同ネットワークが「五か条」にあげた課題は、1.市民社会との連携、2.ビジネスと人権、3. 国民総所得(GNI)比0.7% 目標の時限付き達成、4. 非軍事原則の徹底、5.人権侵害や民主化への逆行に関するモニタリングと対応措置。そして、プラス1として、5か条以外の課題で、「市民社会の多様な声に耳を傾けてください」と要請しました。
 5課題は、いずれもこれまで市民社会組織が繰り返し明確に盛り込むことを強調してきたもので、課題ごとに意見交換に参加した市民社会側からあらためて説明が行われました。日下部審議官は、新大綱がどのプロセスまで来ているのか明言を避けましたが、1.市民社会との連携については、パブリック・コメントを受けて日本の市民社会だけでなく相手国の市民社会を意識した内容を盛り込み、ボリュームも増えたと話しました。しかし、他の課題に関しては、基本的に「意見を承りました」という回答に留まりました。
 日下部審議官は、新大綱案で、先進国・開発途上国問わず、開発協力の目的・理念を共有する国々のことを「同志国」と表現したことに対してはかなり不評だったので表現を工夫したこと、「ジェンダー主流化」に関して受け取ったコメントのいくつかは反映したと話しました。
 パブリック・コメントには、ヒューライツ大阪として5月3日に提出しました。
市民社会からの「5か条プラス1」.pdf

<参照>
https://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section4/2023/04/4554.html
外務省、「開発協力大綱」改定案のパブコメを募集(4/5~5/4)-市民社会から「人間の安全保障」理念の弱まりと「国益」優先に対する懸念
開発協力大綱案への意見(アジア・太平洋人権情報センター)230503.pdf

(2023年06月05日 掲載)