ユネスコ(国連教育科学文化機関)は、来る9月27日から10月17日の間、パリで第32回総会を開きますが、長年、「ユネスコの偏向」を理由にボイ コットしていたアメリカが19年ぶりにユネスコに復帰し、総会に参加します。また、この総会では、2004―2005年の事業計画と予算や、人種主義とた たかうためのダーバン2001フォローアップ戦略、「持続可能な開発のための教育の10年・行動計画フレームワーク」などの重要課題が討議される見通しで す。
人種主義とたたかうためのダーバン2001フォローアップ戦略は、さる6月に大阪で開かれた専門家会合(ヒューライツ大阪がローカルパートナー)での結論文書をもとに、人種主義とたたかうためのユネスコの戦略が決定される見通しです。
また、昨年12月の国連総会は、2005年から14年までの10年間を「国連持続可能な開発のための教育の10年」として宣言しましたが、ユネスコはこ の10年(DESD)を促進する先導機関として、「持続可能な開発のための教育の10年・行動計画フレームワーク」案を公表し(8月)、持続可能な開発の ための教育と、現在の国際的な教育重点分野、特に世界教育フォーラムにおいて採択された「EFA;ダカール行動の枠組み」及び「国連識字の10年」との間 の関連を考慮した上で、10年のための国際実施計画案を策定しようとしています。
日本でも、2005年からスタートする「国連・持続可能な開発のための教育の10年」が、真に意義ある実践につながり、持続可能な社会の構築に寄与する ものとするため、2003年6月に「持続可能な開発のための教育の10年推進会議」(ESD-J)が結成され、環境教育や開発教育、人権教育関係者で多様 な活動を展開するためのネットワーク団体がスタートしている。
(2003年09月27日 掲載)