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アメリカ国務省が国別人権状況の年次報告書を公表

  アメリカ国務省は2月25日、自国以外の各国の人権状況をまとめた年次報告「人権状況に関する国別報告書2003年」を 発表した。この年次報告は、アメリカの在外公館が集めた情報を中心にまとめられたもので、アジア地域では、北朝鮮、中国、ミャンマー、ベトナム、ネパール を人権状況の良くない国に挙げた。北朝鮮については、自国民や外国人を対象にした拉致問題に言及したほか、国内政治犯が自宅から拉致され、裁判手続きを受 けずに収容所に送られていると指摘し、「極めて劣悪」とした。中国については、人権活動家や宗教団体、チベットや新疆ウイグル自治区のイスラム系勢力への 弾圧強化を挙げ、著しい改善がみられた2002年と比べ「後退した」と指摘。また、ミャンマーを「人権悪化の著しい国」とし、民主化運動指導者アウン・サ ン・スー・チーさんと最大野党、国民民主連盟(NLD)メンバーらに対する攻撃や身柄拘束を非難。
  日本に関するレポートでは、概ね人権が尊重されているとしたが、2001年に起こった名古屋刑務所での被収容者死亡事件など、警察、刑務官などによる暴 行・虐待が起こっていること、女性、アイヌや部落の人、外国人などに対する差別があること、日本に売買されてくる女性や子どもがいることなどを指摘してい る。
  この年次報告については、毎年、批判対象となった国からの反発も多く出されている。特に中国は、アメリカが公表した翌26日に外交部報道官が記者会見し、 「米国が中国の人権分野における進歩や成果を客観的かつ正確に把握し、国別の人権報告を提出するという誤った手法を変更するよう希望する。これは他国への 内政干渉である。」との声明を発表した。

(2004年03月02日 掲載)