3月16日から4月3日に開催されていた国連の規約人権委員会は、自由権規約2条に関して一般的意見31を採択しました。2条は締約国の一般的義務を規定 するもので、締約国の管轄下にある全ての人に自由権規約の権利を尊重し、確保すること、権利実現のために立法措置を含め必要な措置をとること、権利を侵害 された人に救済措置を確保することなどを定めています。
この意見では、締約国が2条を含む規約の義務を国家全体として負うのであり、国の機関や連邦制などの制度を理由に義務を免れ得ないことを確認しています。 また、2条1項が国際法上、締約国に対する義務を規定しており、私人間には直接効果がありませんが、規約の権利を保障する国家の義務には、私人による権利 の侵害が起こらないことを保障することが含まれるとしています。また、規約の権利を尊重・保障されるべき管轄下にある全ての人とは、領域内における国籍に 関わらず全ての人であり、また領域外でもその国の活動により実質的支配下にある人が範囲に入るとしています。その活動には平和維持や平和執行活動なども含 まれることを委員会は指摘しています。
[UNHCHR]General Comment No. 31 on Article 2 of the Covenant : The Nature of the General Legal Obligation Imposed on States Parties to the Covenant
(2004年04月07日 掲載)