厚生労働省は6月8日付の官報で、在留資格のない、または短期滞在の外国人を適用除外と明記するよう改正した国保法施行規則を告示しました。
04年1月15日に最高裁が在留期限を超過して滞在していた人について、在留資格がない場合でも一定の要件を満たす場合には加入が認められる、と判断して いました。(平成14年(受)第687号損害賠償請求事件) その判決で、最高裁は、当初は国保法が日本国籍を有しない人を適用除外としていたものの、その後その規定が削除されたことから、在留資格を有しない人につ いて一律に適用除外と解釈することはできないとしていました。
今回の改定で、在留資格がある外国人でも、在留期間が1年未満なら原則として加入は認められなくなります。これまでも法解釈でこうした運用がされてきたも のの、あいまいだとの批判があったため明文化することになりました。一方、在留期間が1年未満であっても、1年以上滞在することが確実な外国人に限り、従 来通り適用対象から除外されることはありません。例えば6カ月の就学資格でも、証明書などにより2年間の課程に在籍していることが確認できれば対象となり ます。
[平成16年6月8日付 官報(本紙第3866号) 第2面] 厚生労働省令 第103号(PDF)
(2004年06月03日 掲載)