10月4日、カンボジア下院は、ポル・ポト派の元幹部らのジェノサイド(集団殺害)や人道に対する罪を裁くための特別法廷の設置について、国連と政府が 2003年6月に署名した合意文書の批准を全会一致で承認しました。今後、上院や憲法評議会での審議を経て特別法定が正式に設置されることになります。カ ンボジアでは、2003年7月の第3回総選挙後、1年以上に渡る政党間の対立で新政権の発足が遅れ、国会も開かれない事態が続いていたが、04年8月に政 党間の合意が決着し、ようやく国会が開会した。
この特別法廷は、国連が設置した旧ユーゴ戦犯国際法廷と違い、国内法廷と位置づけられますが、国連(実質的には日本やアメリカ、フランスなどの対カンボジ ア援助国)が財政支援を行い、不十分ながら国際社会の監視の下で運営されます。特別法廷は二審制で、それぞれカンボジア人と外国人判事による合議制、最高 刑は終身刑です。
(2004年10月02日 掲載)