日本弁護士連合会(日弁連)は2004年11月17日、「人身取引根絶のためには被害者の人権確保が最重要である」とともに「被害者の人権侵害は極めて深 刻で完全な回復は困難であるため被害の未然防止も極めて重要である」いう認識に基づいて、被害者の保護支援および被害防止等に関する対策は、「政府の運用 や裁量で対処すべきで事項ではなく、法律で定めると同時に政府の責任を明らかにすべきである」として、「人身取引の被害者保護・支援等に関する法整備に対する提言」を発表しました。
提言では、人身取引被害者の保護支援を行う専門機関(仮称:人身取引被害者支援センター)を設置し、国は十分な人的・物的・財政的資源を投入するよう求め ています。また、このセンターは、NGOと協働して、多言語ホットラインの設置、シェルターの設置、医学的・心理的・物的援助、雇用・教育・訓練の機会提 供、入国管理局への人身取引の被害者認定申請(仮称)の手続きの援助等を行うという機能を持ったものと提言するとともにこれらに要する費用はすべて国が負 担し、被害者には生活保護の適用を認めることなどを求めています。
(2004年12月09日 掲載)