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ASEANが主催しスマトラ沖地震の津波被災地支援で緊急首脳会議

  朝日新聞によると、スマトラ沖大地震と津波に被災した国々を支援する緊急首脳会議は1月6日、今後半年間に国際機関だけで9億7700万ドル(約1千億円)が必要と訴えた国連 に支援国が協力することで合意し、インド洋沿岸に津波の早期警戒システムを導入することなどを盛り込んだ共同宣言を採択し、閉会した。 復興には5~10年が必要との深刻な認識で一致し、観測史上最悪の津波災害からの立ち直りをめざした国際支援の枠組みが固まった。国連は11日にジュネーブで加盟国が援助を正式表明する支援国会合を開く。
  会議は東南アジア諸国連合(ASEAN)が主催し、日本、米国、中国など26の国や国際機関の首脳が参加。アナン国連事務総長は「国連創設以来、最悪と なった自然災害には、国際社会の空前の取り組みが必要」と呼びかけた。共同宣言では、約500万人といわれる被災者に対する大がかりな支援で、国連が主導 的な役割を担うことを要請。さまざまな支援を調整するため、国連事務総長の特別代表を任命するよう求めた。
  津波対策では、インド洋と東南アジア地域の「津波早期警戒センター」の設立を目指すことで合意。18日から神戸市で開かれる国連防災世界会議で具体化を進めるほか、タイのスラキアット外相が28日にシステム構築に向けた国際会議を主催すると表明した。
  地震や津波に対する防災意識を高めるため、災害から身を守る教育や知識の浸透を促すことでも一致した。約15万人の犠牲者が出たのは、地震が津波を発生させ、津波が恐ろしいことを知らない人が多かったことが原因の一つ、と指摘されている。
  中長期的な復興に向けて、債権国による債務支払い猶予(モラトリアム)の決定も歓迎したほか、世界銀行やアジア開発銀行など国際金融機関に必要な資金拠出 を求めた。また、災害が起きた時に臨機応変に救援活動ができるよう、ASEANの各国部隊や民間でつくる組織の早期設置を目指すことも確認した。


<共同宣言の骨子>

  • 緊急援助だけでなく、破壊された社会インフラの再生など、5~10年かかる復興の努力が必要
  • 国連は事務総長の特別代表を任命し、効率的で長続きする支援をするように調整する
  • 被災国が抱える公的債務の支払い猶予を歓迎
  • インド洋と東南アジア地域に津波の早期警戒システムをつくる

(2005年01月03日 掲載)