タイの裁判所は05年3月8日、6人の少女(最年少は15歳)を含む8人のカンボジア女性をマレーシアの「売春宿」に売り渡したとして起訴されたカンボジ ア人女性に対して、85年の禁固刑を言い渡しました。タイの刑事手続きによると、実際の刑期は50年になるもようです。
このカンボジア女性は、少女たちにバンコクで麺類や被服を販売する仕事があると騙してタイに連れて行き、実際にはマレーシアとの国境まで移送し、1人につき約75米ドルでマレーシアの売春業者に売り渡しました。
その後、「不法滞在者」としてマレーシア当局に逮捕され強制送還された女性たちや、タイの売春業者に転売された女性たちもいました。そうしたなか、ひとりの少女がカンボジアの両親と電話連絡がつき、捜査当局が「売春宿」を摘発することができました。
今回の事件では、タイ、カンボジア、マレーシアの各当局の協力により逮捕、裁判を実現することができたと伝えられています。とりわけ、タイとカンボジア政 府は2003年5月に「女性と子どもの人身売買撤廃および被害者支援のための二国間協力に関する覚書」を結んでいますが、この事件で覚書がはじめて実施さ れたものです。
参照:[UN News]UN project against sex traffic in South Asia hails 'stunning success' of first case
(2005年03月05日 掲載)