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ネパール国家人権委員会 - 独立性の危機

  ネパール政府は5月25日、1997年国家人権委員会法の第4条2項の改正条例を官報に発表しました。今回の改正により、ネパール国家人権委員会(以下、人権委員会と略)の委員長及び委員(以下、委員と略)を任命する推薦委員会の構成が改正されます。
  人権委員会の第1期委員5名の任期は25日に満了しましたが、現行法に基づくと、委員を任命するためには、首相を委員長とし、最高裁判所長官と下院の野党のリーダーを委員とする推薦委員会の勧告に基づき、国王陛下が任命するものとされていました。しかしながら、2月1日の国王による非常事態宣言で、デウワ前首相は解任され、下院も解散されたままであったことから、最高裁判所長官以外のポストが空席のため推薦委員会が設置できず、今回の改正条例が導入されたものと考えられます。
  今回の条例により、推薦委員会の構成は、最高裁判所長官、下院議長、そして外務大臣に改正され、次の委員の選任手続きが始まっています。
  今回の改正については、推薦委員会の3名が2月1日の国王による全権掌握の支持を表明している事から、人権委員会への政府からのコントロールの増大や、人権委員会の独立性や任命手続きの透明性を要求する「パリ原則」に違反するものであるという批判が、国内の人権NGOやヒューマンライツウォッチなどの国際NGOからも相次いでいます。

出所:
 [The Himalayan Times] NHRC ordinance published (英語)
 [KANTIPUR ONLINE] NHRC term ends, speculations begin (英語)
 [South Asia Media Net] King stifles human rights commission (英語)
 [Human Rights Watch] Nepal: King Stifles Human Rights Commission (英語)
参考:
 非常事態宣言下のネパールに対する国際NGOの意見表明 (日本語)
 パリ原則:国家機関(国内人権機関)の地位に関する原則 (日本語)

(2005年05月07日 掲載)