社会権規約委員会の第34会期が4月25日-5月13日に開催され、ザンビア、中国(香港、マカオを含む)、セルビア・モンテネグロとノルウェーの報告が審議されました。また同会期では、男女平等を規定する3条の一般的意見が採択されました。
その一般的意見は、男女平等の権利が国際法で認められる基本的な原則の一つであるとし、3条が規約にあげられる権利を男女の平等を基礎に享受することを規 定しているとしています。また、締約国には、尊重する義務として、直接または間接的に女性を差別する行為を控えること、3条に違反する法律を改正・廃止 し、または違反する法律を制定しないことなど、保護する義務として、男女のステレオタイプやいずれかの優劣の考え方につながる偏見や習慣などを撤廃する措 置をとることや、第三者からの直接または間接的な差別を禁止し権利の享有の侵害を防止する法律を制定することなど、充足する義務として、救済措置や手続を 整えること、法や政策の実施をモニターする機構をつくること、男女の社会的、経済的、文化的権利の実施に向けた暫定的特別措置を含めた政策や措置をとるこ と、教育、公職、開発計画などの意思決定において男女の平等な参加を促進することなどをあげています。
出所:
社会権規約委員会第34会期 (英語)
社会権規約委員会一般的意見一覧 (英語)
参考:
藤本 俊明「社会権規約の課題と可能性-日本政府第二回報告書審査を終えて」国際人権ひろば40号(2001年11月)
もりき かずみ「社会権規約からみた被災と女性の人権-日本政府報告書審査に向けたNGOレポートから」国際人権ひろば39号(2001年9月)
(2005年05月05日 掲載)