国連人権高等弁務官は、マイノリティの問題に関する独立専門家にアメリカのゲイ・マクドゥーガル元国連人権委員会特別報告者を任命しました。05年4月、第61回人権委員会は「国民的または種族的、宗教的及び言語的少数者に属する者の権利に関する宣言」(マイノリティの権利宣言)の実施促進などに取り組む、独立専門家の任命を決議していました。
92年に選択されたこの宣言は、マイノリティに属する人が、差別されることなく自己の文化を享有し、自己の宗教を信仰し、実践し、自己の言語を使用する権 利を有することを謳っています。また、国家にそれぞれの領域内のマイノリティの存在と独自性を保護し、独自性促進のための条件を助長するとしています。
今回任命された独立専門家は、その他にベスト・プラクティスや人権高等弁務官事務所との技術協力の可能性、マイノリティに属する人の権利の実施のための勧告を含む報告を人権委員会に提出します。
マクドゥーガルさんは1996年に人権委員会の下部組織である人権の保護と促進に関する小委員会の委員となり、その間「武力紛争時の組織的強姦、性奴隷そ の他の奴隷的慣行」に関する特別報告者に任命されていました。また1998年から2002年まで人種差別撤廃委員会の委員も務めています。
出所:「8月1日付国連プレス・リリース」
参考:ヒューライツ大阪News in Brief(2005年4月) 「第61回国連人権委員会が開催」
(2005年08月02日 掲載)