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作業部会が「強制失踪からのあらゆる人の保護に関する条約」案を作成

  強制失踪からの保護に関する法的拘束力を有し、規範的な条約を起草するための作業部会は9月23日、強制失踪からのあらゆる人の保護に関する条約案を作成しました。
  条約案はどのような人も、戦争、政情不安などいかなる状況においても強制的な失踪を強いられないことを1条に掲げ、強制失踪を公務員または国家の許可、支 持または黙認のもとで行動する人または集団による逮捕、拘束、拉致または他のいかなる形態の自由の剥奪で、その後、自由剥奪を否認したり、失踪した人の居 場所または状況を隠すことと定義しています。
  条約案では、締約国に強制失踪に当たる行為を国内刑法上の犯罪とし、そのような行為を行ったり指示した人などや、その人たちの上にいて、そのことを知りながら、あるいは無視して、必要な措置をとらなかった責任者の刑事責任を問うよう求めています。
  また、強制失踪が広範に行われたり、制度的に行われる場合は国際法上の人道の罪に当たるとしています。
  締約国は、拘禁など自由剥奪について、命令権限のある機関を明白にし、自由を剥奪された人に家族、弁護人その他の人と連絡を取ることを認め、法的権限のあ る機関が拘禁されている場所を訪れることができるようにするほか、自由を剥奪された人の最新の記録を保持するなどの措置をとるよう規定しています。
  実施措置として、委員会を設置し、締約国が条約実施のためにとった措置などを報告する制度のほか、失踪した人について緊急に調査しなければならない場合、委員会は要請を受けて当該締約国に直ちにその人を捜索し、保護するよう要請する制度を予定しています。
  この作業部会は2002年に、強制失踪からの保護に関する法的拘束力を有し、規範的な条約を起草するために人権委員会第58会期の決議によって設置されま した。強制失踪については、1980年に設置された、失踪した人の家族などからの通知を受け、政府との連絡を行うなど、被害者の捜査を支援する強制および 非自発的失踪に関する作業部会があります。
  この条約案は06年3-4月に開催される人権委員会を経て、総会に提出される予定です。

参考:条約起草作業部会

(2005年09月03日 掲載)