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ユネスコ、「反人種主義アジア都市連合」設立に向けた専門家会議開く-堺市が参加

  ユネスコは、タイのバンコクで05年10月27日から29日にかけて、「アジア・太平洋における人種主義と差別に反対する都市連合」(反人種主義アジア・ 太平洋都市連合)の発足準備のための専門家会議を開催しました。バンコク市は、同都市連合の会議開催を受け入れるなど事務局的な機能を担うリードシティを 務めることを決めています。
  専門家会議には、ユネスコ・本部やバンコク事務所、バンコク市当局をはじめ、人種主義や差別の問題に関わる専門家、および大阪の堺市、ラオスのビエンチャ ン市、スリランカのマータレ市、ニュージーランドのウエリントン市、フィジーのスバ市の5都市からの代表が参加しました。
  会議では、(1)ユネスコの担当事務局が作成した人種主義と闘うための10項目行動計画(コミットメント)(案)の検討、(2)10項目行動計画の実施状 況をフォローする方法、(3)今後の方向性などが議論されました。ユネスコによると、06年5月あるいは6月の設立に向けて準備を進めていくと同時に、域 内の都市に参加を求めていく方針です。
  今回の会議で議論された10項目行動計画(案)は、(1)人種主義と差別を評価し、市の政策をモニターする、(2)人種主義と差別への闘いに対する政治的 意思の強化、(3)人種主義と差別をより厳重に警戒する、(4)人種主義と差別の被害者に対するよりよい支援、(5)さらなる参加と都市住民への情報提 供、(6)均等な機会を実現する雇用者およびサービス提供者としての都市、(7)均等機会を実践する積極的な支持者としての都市、(8)教育を通じて人種 主義や差別と対決する、(9)文化的多様性の促進、(10)憎悪犯罪(ヘイトクライム)および紛争処理。
  会議に参加した堺市の森雅博さん(人権部人権推進課主幹)は、「都市連合は、加盟都市間の反差別や人権施策に関する経験交流を通じて、それぞれがヒントを 得ることで困難な壁を破っていくきっかけになるのではないか」と感想を語っています。堺市では、「アジア都市連合」に実際に加盟するかどうかについて今後 検討していきます。

参考:
ユネスコ「反人種主義アジア・太平洋地域都市連合」設立に向けた取り組み ヒューライツ大阪News in Brief(2005年10月)
ユネスコが推進する「反人種主義アジア・太平洋都市連合」のリードシティにバンコクが決定 ヒューライツ大阪News in Brief(2005年7月)
「反人種主義ヨーロッパ都市連合」設立 ヒューライツ大阪News in Brief(2004年12月)
「反人種主義ヨーロッパ都市連合」の結成に向けたドイツ・ニュルンベルグでのユネスコ専門家会合を傍聴して ヒューライツ大阪「国際人権ひろば」2004年9月号(No.57)

(2005年11月05日 掲載)