11月3-18日、第294回ILO理事会が 開催され、その会議においてミャンマーでの強制労働の問題がとりあげられました。6月の総会では、同国の強制労働の実態が改善されないことや、強制労働を 訴える人が迫害される状況などを受けて、基準適用委員会が各国に同国との投資を含めた関係を見直すよう呼びかけていました。その後同国とILOとの関係 は、国内で反ILOキャンペーンが展開され、駐在のILO連絡員に脅迫状が送られたりするなど悪化していました。ILOの広報は同国がILOを撤退すると表明していたことも伝えています。
理事会では、ミャンマー政府代表に対して、ILO連絡員が十分その業務を遂行できることを確保するよう求め、特に強制労働の被害者を訴追することをやめ、 加害者に対してなんらかの措置をとることを強く求めました。また、2006年の総会が開催されるまでに政府にILOと実効的な対話を再開するよう求めまし た。
その他、理事会はカンボジアにおいて労働組合に対する差別や、活動の妨害が起こっていることをあげ、雇用者との協力において、正当な組合活動を根拠に解雇 された人の職の復帰を直ちに確保し、結社の自由の権利の保護を実効的な執行手続きにより確保するよう求める結社の自由委員会の報告も採択しています。
出所:
ミャンマーに関する結論文[PDF,13KB](英語)
第294ILO理事会(英語)
ILOプレスリリース(英語)
参考:
ILOが強制労働に関する報告を公表 ヒューライツ大阪ニュースインブリーフ(05年5月)
3月11日からILO第289回理事会が開催-ミャンマー政府にILOと接触した3人の釈放を要求 ヒューライツ大阪ニュースインブリーフ(04年4月)
(2005年11月09日 掲載)