在日外国人の人権保障に取り組んでいるNGO、弁護士、研究者などが集まって05年12月8日、「外国人・民族的マイノリティ人権基本法」と「人種差別撤 廃法」の制定を求めるとともに、政府から独立した「国内人権機関」創設の実現をめざす「外国人人権法連絡会」を設立し、東京都内で結成総会を開きました。
「連絡会」では、市民団体や労組、宗教団体など人権NGOと、弁護士、研究者など広範なネットワークを構築し、国に対して上記の法制定を、地方自治体に対 しては「人権基本条例」および「差別撤廃条例」制定の必要性を訴えるとともに、市民法案・市民条例案を提案していく計画です。
「連絡会」の設立は、04年10月に開催された日本弁護士連合会の人権擁護大会におけるシンポジウムに全国から参加した弁護士、人権NGO関係者、研究者などによって意見交換会が積み重ねられ意見の一致をみたことによるものです。
「連絡会」によると、日本政府は「第3次出入国管理基本計画」で厳格な上陸審査・在留管理を推進することとし、「テロ対策」の名のもとで、出入国管理・難 民認定法と外国人登録法などの改悪によって外国人への管理・監視システムを一層強化しようとしているといいます。また、外国籍の子どもたちや日本語を母語 としない子どもたちの「教育を受ける権利」が認められず放置されていたり、難民申請者の国外追放、入管法違反容疑での長期収容、法務省入管局ホームページ 上での「密告窓口」の継続、外国人・民族的少数者に対する入居拒否や入店拒否などが繰り返されている、という認識をもっています。
そうした現実に対して、「連絡会」では、人権と反差別の法制度創出をめざすネットワークと構想力が求められているとして、そのためには日本人と在日コリアンなど旧植民地出身者、移住労働者、移住者、難民などとの連帯が必須だとみています。
また「連絡会」では年1回、『外国人・民族的少数者に関する人権白書』を発行する計画です。同2006年版は暫定版として作成されており、結成総会の後に開催された記念集会で配布されました。
(2005年12月11日 掲載)