アジア人権委員会(香港ベースの国際NGO)は06年1月16日、「アジアの10ヶ国における人権状況」に関する報告書を発表し、アジアにおける人権侵害の拡大は、主として法の支配の欠如にその要因があると指摘しています。
アジア人権委員会のBasil Fernando氏は169ページからなるこの報告書について、「2005年はアジアのほぼ全域で人権状況が悪化している」としています。その本質的な要 因として「司法制度の欠陥と警察の活動」を指摘し、「法の支配が崩壊している場合、人権基準を実行する可能性がなくなる」としています。
アジア人権委員会のこの報告書では、タイ、インド、ネパール、スリランカ、バングラデシュ、ビルマ、フィリピン、カンボジア、韓国、そしてインドネシアの 10ヶ国の人権状況について取り上げています。そのうち、ビルマ、ネパールそしてカンボジアを法の支配が完全に欠如している国として指摘しています。
報告書の全文はアジア人権委員会のホームページから見ることができます。
出所:Asia Human Rights Commission, "The Absence of the Rule of Law and the Actualisation of Human Rights: a Contradiction that Must be Resolved"(英語)
(2006年01月09日 掲載)