共同通信などによると、報道の自由とジャーナリストの人権保護を目指す国際組織「国境なき記者団」(本部パリ)は4日、05年に世界で殺害されたジャーナリストは63人で、95年の64人に次ぐ犠牲者数となったとする年次報告を発表しました。
イラクでの死者は記者24人、運転手や通訳などの取材助手5人で、イラク戦争が始まった03年3月から犠牲になった記者、助手の合計は76人としていま す。報告書はベトナム戦争の期間を含む約20年間(1955-75年)のベトナムでの死者63人を上回ったとし「イラクはメディアにとって最も危険な国」 と指摘しました。昨年のイラクでの犠牲者のうち3人は米軍の関与が指摘されています。イラクに次いで死者が多いのがフィリピンの7人で、汚職などを告発し ようとした記者が政治家や実業家らに殺害されたとしています。
また、昨年、身柄を拘束された記者は少なくとも807人。今年1月1日現在で投獄されている記者は126人で、国別では中国32人、キューバ24人、エチオピア17人などと報じています。
一方、ジャーナリストの権利を守るために活動する非営利団体「ジャーナリスト保護委員会」(CPJ、本部ニューヨーク)は3日、世界で昨年1年間に計47人のジャーナリストが犠牲になったとする年次報告を発表しています。
出所:
昨年殺害の記者63人 国境なき記者団 共同通信(1月4日)
記者の殺害63人、05年は過去10年で最多 読売新聞(1月5日)
Violence still increasing 63 journalists killed, more than 1,300 physically attacked or threatened 国境なき記者団(英語)
(2006年01月02日 掲載)