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2005年の日本における人身取引被害者数は117人-警察庁

  警察庁が2006年2月9日に発表した「平成17年中における人身取引事犯の現状について」に よると、2005年1年間に国内で保護した人身取引の被害者は、前年より40人増加し、9カ国117人でした。国籍別では、インドネシア44人、フィリピ ン40人、タイ21人と、この3カ国で全体の90%を占めています。他は台湾4人、ルーマニア4人、コロンビア、韓国、オーストラリア、エストニアが各1 人です。
  入国時の主な在留資格は「興行」が67人、「短期滞在」が12人でした。保護にいたる主な経緯は、大使館やNGO、入国管理局などからの連絡によるものでした。一方、加害者の検挙件数は81件で、検挙されたのは83人でした。
  この報告書では、「女性たちは、ほとんどの者がホステスとして働かされ、高額の借金を負わされたり、旅券を取り上げられるなどして売春等の性的役務を強要されるなどの取扱いを受けていた」と明らかにしています。
  警察庁では2000年以降、人身取引に関する統計をまとめていますが、被害者総数は今回が最大となっています。これは、政府が2004年12月に「人身取 引対策行動計画」を策定したり、2005年6月の国会における刑法改正で「人身売買罪」が新設され取締りが強化されるとともに、「出入国管理及び難民認定 法」の改正により人身取引の被害者と認定された場合、在留特別許可が出されるなど被害者保護の方針が明確化されたことにより、被害者数が増加した理由だと 考えられます。
  一方、報道によると、警 察庁とは別に法務省が2月14日、2005年に全国の入国管理局が人身取引の被害者として保護した外国人女性は、6カ国115人(うち6人は18歳未満の 子ども)にのぼると発表しました。国籍別ではフィリピン47人、インドネシア41人、タイ17人、コロンビアとルーマニアが各4人、中国2人。そのうち、 保護されたときに「不法滞在」状態になっていたのは47人でしたが、法務省は在留特別許可を出しています。
  人身取引の統計を法務省が発表したのは今回が初めてのこと。警察庁の発表と少し国名や数字が異なります。関係機関の連絡調整が今後の課題だといえそうです。

出所:
 平成17年中における人身取引事犯の現状について 警察庁
 日本経済新聞 人身取引被害で6カ国の115人保護・昨年、法務省調査 (06年2月15日)

(2006年02月11日 掲載)