20年以上にわたり内戦の続いているスリランカで、2003年4月から中断していたスリランカ政府とLTTE(タミル・イーラム解放の虎)との和平交渉が今月22,23日にスイスのジュネーブで再開しました。
和平交渉を仲介するノルウェーのソルハイム大臣は、スリランカ政府とLTTEは2日間の協議において停戦協議を4月から再開し、事実上守られてこなかった 2002年2月の停戦合意を復活させる努力を進めること、また脅迫、暴力行為、誘拐、殺人などが発生しないようあらゆる必要な手段を取ることに合意したと 発表しました。
今回の和平交渉は停戦の実現という目的には到達しませんでしたが、スリランカ政府とLTTEは、互いの停戦への意思を確認するために4月の協議再開まで2ヶ月のテスト期間をおくことに合意したものです。
一方、スリランカ国内では長引く紛争の影響でスリランカ全土で36万人以上の国内避難民が窮状にあり、そのうち特に経済的に弱い立場にある国内避難民の約60%が女性や子どもであるとスリランカ人権委員会が報告しています。
出所:South Asian Media Net, "SL Govt., LTTE reaffirm truce"(February 24, 2006),(英語)
参考:
South Asian Media Net, "Over 360,000 war affected in IDP camps"(February 24, 2006),(英語)
中村 尚司「スリランカの和平と復興支援の課題」 ヒューライツ大阪『国際人権ひろば』第48号(2003年3月)
(2006年02月15日 掲載)