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ベトナム戦争での韓国軍人の枯葉剤被害者らが米国製造会社に対し初勝訴

  2006年1月26日、ソウル高等裁判所は、ベトナム戦争当時の韓国軍の枯葉剤被害者に対する製造会社の責任を一部の後遺症について認め、ダウケミカルと モンセントの2社に対し、一人あたり600万ウォンから4600万ウォン(約76万円~580万円)、総額630億ウォン(約79億円)損害賠償を支払うよう判決をくだしました。
  1965年から停戦調印の73年まで、韓国はベトナムに延べ31万人余りを派兵し米国とともに参戦しました。このうち米軍が使用した枯葉剤の後遺症に苦しむ軍人とその家族2万名余りが、米国の製造会社に対し損害賠償を求める訴訟を起こしていました。
  2003年5月1日の第一審判決では、枯葉剤使用と後遺症の因果関係が認められないとして原告が敗訴しました。今回、高裁はさらに、万一製造会社が上訴し 判決の確定が延びるケースを考慮して、賠償額の50%を仮執行できるとしましたが、実際に原告が米国の会社から損害賠償をすべて受け取ることができるかは 未知数です。
  また、米国のベトナム戦争従軍軍人は、1984年になって製造会社相手に集団訴訟を起こし、1億8,000万ドルの補償金で和解しています。その後米国内 での同様の訴訟は、「政府の合法的な注文によるため処罰されない」という製造会社の「政府契約者の抗弁」が認められ、請求がすべて却下されています。

出所:
 ハンギョレ新聞の記事 (韓国語)
 BBC News, "S Korea ruling on Agent Orange" (英語)

(2006年02月10日 掲載)