06年3月16日から22日にメキシコ・シティーで開催される第4回世界水フォーラムを前に3月9日、第2回国連世界水開発報告がメキシコ・シティーでメディアに発表されました。この報告は水資源の管理に関わる24の国連機関等の共同事業として、ユネスコに事務局のある国連世界水アセスメント計画が作成しました。報告は正式には22日、ユネスコの松浦事務局長によって公表されます。
この報告によると、地球には十分な水資源があるにもかかわらず、世界の人口の1/5に当たる11億人は安全な飲料水にアクセスできず、26億人は基本的な 衛生設備を欠いています。その半分以上は中国とインドに住んでいます。報告はその原因として汚職、適切な機関の欠如、官僚の無気力などをあげています。ま た、ほとんどの地域で水質が急速に悪化し、淡水生物の衰退や生態系が悪化していることもあげ、水の循環には健全な環境が必要であることを指摘しています。 さらに、森林の消滅や潅漑の失敗による干ばつや洪水のような水が関連する災害が増加していることもあげられています。報告は20世紀の間に、水の利用が人 口の増加率の2倍の速さで増加し、世界の需要に対応するためにはよいガバナンスと管理にかかっていると述べています。
出所:
UNESCO Water, "sustainable development and conservation of freshwater resources in the world" ユネスコ プレスリリース (英語)
参考:
神田浩史「第3回世界水フォーラムにおける争点」(国際人権ひろば49号2003年5月)
川村暁雄「人々の『水に対する権利』を考える」(国際人権ひろば49号2003年5月)
(2006年03月04日 掲載)