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オーストリアのケーブルカー火災事故(2000年)で遺族が欧州人権裁判所に提訴へ

  共同通信、日経新聞などによると、日本人10人を含む155人が犠牲となった2000年11月のオーストリア・アルプスのカプルンでのケーブルカー火災事 故に関し、オーストリア人やドイツ人遺族の弁護士は3月27日、オーストリア政府を相手に、欧州人権裁判所(フランス・ストラスブール)に提訴する方針を 明らかにした。
  スキー合宿中の中学生ら日本人20人を含む155人が死亡したケーブルカー火災事故では、1審のザルツブルク地裁は、出火原因を車両後部の暖房機と断定し たが、「事故は予見不可能だった」として、業務上過失致死罪などに問われた16人全員を無罪とした。一方、検察側は04年9月、「国際基準に基づく安全対 策が取られなかった過失責任は免れない」として、ケーブルカー運行会社幹部や交通省責任者ら8人について控訴したが、05年9月、オーストリアのリンツ高 裁が過失出火罪に問われたケーブルカー運行会社役員ら8人全員に無罪を言い渡し、判決が事実上確定した。
  遺族側はオーストリアの交通機関の安全に関する法律や、事故が起きた際の刑事責任を問う法律の整備が十分でないことに加え、オーストリア政府が設置した和解委員会で提示された補償額が不十分であることなどを訴える方針という。
  弁護団では、欧州人権裁判所でこうした事故の遺族らが政府を訴えるのは初めてで、今回提訴した遺族には日本人は含まれていないが、欧州人権裁判所の判決内容を他の遺族にも適用できるようにしたい」としている。

参考:
・遺族が欧州人権裁に提訴へ ケーブルカー火災事故で (共同通信 3月28日)
欧州人権裁判所に提訴-ケーブルカー火災事故無罪 (日本経済新聞3月28日夕刊)

(2006年03月17日 掲載)