杉浦正健法相は2006年4月7日、自民党内で国会提出に向けた調整が難航している人権擁護法案について、「メディア規制条項」などの内容を大幅に見直し、来年(2007年)の通常国会へ提出する方針を明らかにしました。
「法相は『自民党内の議論がほとんど進んでおらず、今の法案のままでは提出は不可能』と説明し、今後、法務省内に検討チームを設けて論点を検討する意向を示しました」。
「法相は自民党内での議論が事実上止まっている現状について、『人権侵害に実効ある措置を取れるようにすることは必要で、このまま(法案を)放置しておく わけにはいかない』と指摘。メディア規制では『人権侵害(への対応)はマスコミの理解が必要。正式な協議の場で、十分に意見を聴きたい』と述べています。 また、自民党内の議論で、救済の実務にあたる人権擁護委員の選任基準に『国籍条項』がないとの批判があった点は、『中身は別にして、あれだけ議論されたわ けだから、(修正が)必要だと思う』と一定の見直しが必要との認識を示しました。
「人権擁護法案は2002年に国会に提出されましたが03年秋に廃案となり、法務省はメディア規制条項を凍結した上で昨年の通常国会への提出を目指しました。しかし、自民党内で『人権侵害の定義があいまい』などとする批判が続出し、提出のめどが付かない状態」でした。
出所:
・人権擁護法案、今国会提出断念・杉浦法相 NIKKEI NET(2006年4月7日)
・『メディア規制』削除も人権擁護法案 東京新聞chunichi WEB press (2006年4月7日)
参考:
・人権擁護法案を3月中旬までに再提出の方針を与党懇話会が確認 ヒューライツ大阪・ニュースインブリーフ(05年2月)
・国会解散により人権擁護法案が廃案に ヒューライツ大阪・ニュースインブリーフ(03年10月)
(2006年04月12日 掲載)