2006年5月4日、ILOは児童労働に関するグローバル・レポート「児童労働のない世界:手に届く目標」[PDF 52KB]を公表しました。
レポートは、2004年に児童労働に従事する子どもの数は2.18億人、そのうち危険な労働に就く子どもの数は1.26億人とし、世界の働く子どもの数が 過去4年間で11%減少し、そのうち危険な労働に従事している子どもの数は26%減少したと報告しています。なかでも、危険な労働に従事する5才から14 才の子どもの数は33%と最も大きく減少しており、レポートはこの傾向を続けていくことができれば、2016年までには最悪の形態の児童労働を撲滅するこ とが可能かもしれないという見解を示しています。
地域でみると、最も減少が大きいのはカリブ地域を含む中南米で、一方、サハラ以南のアフリカでは余り減少が見られなかったことが報告されています。
さらに、減少の背景に、経済発展だけでなく、適切な政策がとられていることが必要であるとして、特に貧困削減と教育の重要性をあげています。また、関連するILO条約の批准、使用者・労働団体の取り組みなども重要な役割を担うことがあげられています。
ILOのグローバル・レポート[PDF 1,146KB]は 1998年に採択された「労働における基本的原則および権利に関するILO宣言とそのフォローアップ」に基づいて、強制労働、児童労働の禁止、結社の自 由、差別禁止について毎年1つを取りあげ、事務局長が4年間の進捗状況について報告としてまとめ、総会に提出するものです。児童労働に関しては、2002 年に、「児童労働のない未来」が出されています。また、昨年は強制労働に関する「強制労働に対するグローバルな連合」が公表されています。
出所:
・ILO駐日事務所 児童労働グローバル・レポート概要[PDF 52KB]
・ILOグローバル・レポート "The end of Child Labour: Within reach"[PDF 1,146KB] (英語)
参考:ILOが強制労働に関する報告を公表 ヒューライツ大阪・ニュースインブリーフ(05年5月)
(2006年05月03日 掲載)