2006年5月16日、国連総会は平和構築委員会の組織委員会メンバー国を選出しました。
平和構築委員会と は、05年3月、アナン国連事務総長が国連改革案「より大きな自由の中で」の中で提案し、9月の総会首脳会合の成果文書で設立が決まった紛争後の平和構築 と復興をための政府間諮問機関です。05年12月20日、総会と安全保障理事会が同じ決議文をそれぞれ採択して、より具体的な内容を決定しました。それに よると、平和構築委員会の目的は、紛争後の社会の平和構築と復興や持続可能な発展の基盤づくりに向けて、総合戦略を助言、提案し、国連内外の関係国、機 関、団体などの調整のために情報提供や勧告を行い、早期の復興活動のための予測可能な資金確保を支援することなどです。そのために、委員会には、常設の組 織委員会と国別委員会が設置されます。
組織委員会は、安全保障理事国から、常任理事国5カ国を含む7カ国、経済社会理事会から、特に紛争後の復興を経験している国を考慮して7カ国、国連機関へ の任意の拠出などを含めて、国連への資金拠出額上位10カ国から5カ国、国連の活動への軍、警察の人員提供上位10カ国から5カ国、その他、地理的なバラ ンスと紛争後の復興を経験している国が含まれていることを確保するために、総会から7カ国の合計31カ国から構成されます。
今回総会から、チリ、エルサルバドル、ジャマイカ、エジプト、ブルンジ、フィジー、クロアチアが選出されました。経済社会理事会からは、インドネシア、ス リランカを含む7カ国が5月12日に選ばれており、日本も拠出額上位国の一つとしてそのメンバーになっています。メンバーの任期は2年です。
組織委員会は、さらに特定の国について、当該国、当該地域で紛争後の復興、救援などに関わっている国や地域組織、復興に関わる兵力や他の人員提供国、国連 機関などを招へいし、国別委員会を設置します。さらに、委員会の事務局として、平和構築支援室が設置されることになっています。
出所:
・General Assembly Elects Final Seven Member States to Serve on Peacebuilding Commission's Organizational Committee 国連プレスリリース5月16日付 (英語)
・国連平和構築委員会 (英語)
参考:国連総会首脳会合(2005年世界サミット)が成果文書を採択 ヒューライツ大阪ニュースインブリーフ(05年9月)
(2006年05月05日 掲載)