2006年6月28日、グローバル・コンパクト・ボード(理事会)の最初の会合が開催されました。 グローバル・コンパクトは、1999年アナン国連事務総長が提唱し、2000年に発足した、企業や国連機関、市民社会が労働、環境、人権の分野にわたる 10の原則を支持するというイニシアティブです。参加する企業、団体は、10の原則を支持、推進することを書簡で表明し、そのために取った行動などを公表 する、緩やかで自発的な取組みです。
グローバル・コンパクトに参加する国は94カ国に、参加企業や団体などは3200にまで広がっていますが、2005年に参加の促進や各地域やグローバルな レベルで行われている活動に一貫性をもたせるために、多角的なガバナンス枠組みを導入するとして、その中で3年に一度のリーダーズ・サミットや理事会、 ローカル・ネットワーク・フォーラムなどが主要な役割を担うこととされました。
それをうけて、アナン事務総長は06年4月、企業、労働、市民社会から20名の理事会のメンバーを任命しました。日本からは三井住友海上保険の植村社長が任命されています。理事会は、グローバル・コンパクト全体に対し、戦略的な助言を行い、その活動の推進や募金活動を行うこととされています。
2005年には、そのほかにもグローバル・コンパクトの任意性を保ちながら、その趣旨を維持するために、10の原則実施の進展を2年続けて公表しなかった 参加団体を「活動停止」としたり、重大または制度的な違反に関する苦情を受理する手続きなどの措置も導入しました。今度開催された理事会はこれらの措置に ついても定期的に見直すことになっています。
また、07年6月にリーダーズ・サミットがジュネーブで開催される予定です。
出所:
・"Global Compact Board Convenes Inaugural Meeting" グローバル・コンパクト2006年6月28日付プレスリリース(英語)
・"Secretary-General Appoints Global Compact Board" グローバル・コンパクト2006年4月20日付プレスリリース(英語)
参考:
・国連広報センター「グローバル・コンパクト」
・グローバル・コンパクト実施状況に関する報告の公表 ヒューライツ大阪ニュースインブリーフ(05年7月)
(2006年07月05日 掲載)