8月25日、国連の安全保障理事会は、東ティモールの騒乱、それに伴う国内避難民の増加などに対応するために、東ティモールにおける国連ミッション(UNMIT)を設立することを決議しました(決議1704(2006))。
東ティモールでは3月、国軍から約600人の兵士が解雇されたことを発端に起きた騒乱で、20人以上が死亡し、数万人の人が避難を強いられる事態になり、 オーストラリア、マレーシア、ニュージーランドおよびポルトガルが東ティモール政府の要請を受けて治安維持のために派兵していました。
UNMIT は、安定の確保、民主主義統治の文化の拡大、および東ティモールの各当事者間の政治対話に向けて東ティモール政府の国内和解促進などの努力を支援し、 2007年に行われる、大統領および議会選挙の技術支援などを行い、東ティモール警察を支援して治安維持を回復するなどの任務を負います。当面6ヶ月の期 間、1,608人までの警察要員と、34人の軍連絡員などの要員で構成し、安保理は今後軍事要員の性格や規模も含めて、調整することを検討するとしていま す。
今回の決議では、軍の派兵は含んでいませんが、現在展開中のオーストラリアなどの軍にUNMITとの協力と支援を要請しています。
この騒乱に関して、アナン事務総長は、東ティモール政府の要請を受け、事態の責任を明らかにし、騒乱中に起きた犯罪や侵害の対応について提言を行うために、3名の専門家からなる独立諮問特別委員会を任命しています。
参考:国連安保理8月25日付けプレスリリース SC/8817 (英語)
(2006年09月03日 掲載)