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国連障害者権利条約に関する特別委員会が条約案を基本合意

  8月14日から開催されていた障害者の権利条約に関する第8回特別委員会25日、条約案を暫定合意しました。 2001年の国連総会決議によって設立された特別委員会は、2002年から第1会期を開催し、2004年には条約起草のための作業部会を設置し、そこで作 成された条文案をもとに検討を続けていました。会期中も多くの修正案が出され、国際協力や教育に関する規定など各国代表の意見が合わない規定もありました が、会期の終わり近くになり、各国が修正案を撤回するなどの妥協がみられ、採択に至りました。最終的には前文の、障害者の十分な保護のために人権文書の遵 守が不可欠として、特にあげられた状況に「武力紛争」と並んで、「占領下」の文言を入れることについてのみ、採決に付され、その他の条約案はコンセンサス で採択されました。
  国連が中心となってこれまで、国際人権規約、人種差別撤廃条約、女性差別撤廃条約、子どもの権利条約などがつくられており、障害のある人についても、これ らの条約によって保護されることになっています。しかし、従来の条約では世界に6.5億人もいるとされる障害のある人々が見落とされていたり、その保護が 十分でないことが指摘され、障害のある人を対象とした条約が必要であるとされていました。50条からなる条約案[MS-Word文書173KB]は、障害のある人に対する差別禁止、平等の確保を規定し、障害のある人々の政治、経済、社会、文化などあらゆる生活の分野での権利を規定しています。
  実施について、条約案は国内で条約の実施を促進しモニターする独立した機構をつくる、または特定すること求め、国際レベルでは、障害者の権利委員会を設置し、締約国の報告を受理し検討することが規定されています。
  また、条約内に含まれる権利を侵害された個人が国内での救済手続きを尽くした後に障害者の権利委員会に申し立てることのできる個人通報制度を規定した選択議定書案も同時に採択されました。
  条約案は、語句の統一や各公用語の調整などを行った後、9月に特別委員会を再開して確定した後、国連総会に提出され、年内の採択をめざします。

参考:
国連8月28日付プレスリリース SOC/4716 (英語)
・毎日新聞06年8月26日記事 「障害者権利条約:国連特別委で合意 年内の総会採択目指す」
・外務省 障害者権利条約に関する国連総会アドホック委員会における条約作成のための議論概要
第8回特別委員会 (英語)
障害者の権利条約案 [MS-Word文書 173KB] (未編集版:英語)
第8回特別委員会報告-2006年8月25日 (JD条約委員会・DPI日本会議崔栄繁)
障害者の権利条約に関する特別委員会第6会期 ヒューライツ大阪ニュースインブリーフ(2005年8月)

(2006年09月04日 掲載)