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国連第三委員会で北朝鮮の人権状況に関して審議

  国連総会第三委員会で06年10月20日、北朝鮮の人権状況に関する特別報告者の報告が審議されました
  ヴィティット・ムンターボーン特別報告者の報告は、 主に2005年から2006年8月にかけての人権状況を取りあげています。食料に対する権利について、北朝鮮政府が外国からの支援、特に市民社会からの支 援の拒否を表明したことや、ミサイル実験により人道支援が停止されるほか貴重な資源が浪費されることなどの懸念があること、刑法や刑事訴訟法が改正された にもかかわらず、治安維持のための別個の「準司法制度」のようなものがあり、そこには独立した司法や、弁護士へのアクセスなどのような保障が及ばないこと や、刑務所に収監される人、特に政治犯の処遇が懸念されること、日本、韓国やタイなど外国から人が拉致されていることなどが指摘されています。
  また、北朝鮮国内の移動の自由が制限されているほか、近隣諸国に逃れた人が強制送還されていることをあげ、送還された人々について、特別報告者が北朝鮮に照会した通報に対して政府から特別報告者の権限・任務を認めない旨の回答があったことを述べています。
  報告は最後に、批准している人権諸条約を実施し、主要人権条約のうち未批准のものを批准し、それらを実施すること、外国からの人道支援の継続を認めるこ と、人権を尊重するよう法律や制度を改正すること、許可なく国外に出る人を処罰しないこと、国連人権高等弁務官事務所の支援を求めることや、特別報告者そ の他の人権に関するモニタリング機関の訪問を認めることなど北朝鮮に対して勧告しています。また、国際社会に対して食料援助を必要に応じ提供すること、迫 害のおそれのある国に強制送還しないというノン・ルフールマン原則を尊重するとともに、国外に逃れた人たちに対する支援の負担分担のために国際連帯を促進 することなどの勧告をしています。
  10月20日には、そのほか、ミャンマー、スーダン、コンゴ民主共和国の人権状況が審議されていますが、北朝鮮に関する特別報告者とミャンマーの人権状況に関する特別報告者は、その対象国から、その国への訪問を認められていません。

出典:
"Experts in Third Committee Highlight Serious Human Rights Concerns in Democratic People's Republic of Korea, Sudan, Myanmar, Democratic Republic of Congo"(GA/SHC/3859) 国連総会10月20日付プレスリリース
・北朝鮮の人権状況に関する特別報告者報告 A/61/349

参考:
朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の人権状況に関する国連特別報告者(ヴィテティット・ムンタボーンさん)が国連で報告 ヒューライツ大阪ニュースインブリーフ (04年12月)
第61回国連人権委員会が開催 ヒューライツ大阪ニュースインブリーフ (05年04月)

(2006年10月11日 掲載)