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韓国国家人権委員会が「北朝鮮の人権に対する国家人権委員会の立場」を表明

  韓国の国家人権委員会[韓国語](委員長:アン・ギョンファン)は、06年12月 11日に「北朝鮮の人権に対する国家人権委員会」の立場を表明しました.
その内容は、1)立場を表明した背景、2)立場表明の根拠及び範囲、3)北朝鮮の人権に対するアプローチの原則と政策提案などが盛り込まれています。以下、プレスリリース[韓国語]の概要です。

  国家人権委員会は03年から北朝鮮の人権状況の調査研究と専門家の意見を集約してきました。05年12月の全体委員会の決議に基づき、チェ・ヨンエ常任委 員を委員長として5名の人権委員で北朝鮮人権特別委員会を作り、その会議の検討結果を全体委員会で審議議決し、この度表明したものです。
  委員会が扱う「北朝鮮の人権」の範囲は、北朝鮮地域内の北朝鮮住民の人権、在外の脱北者、韓国での定着者など北朝鮮離脱住民の人権及び離散家族・拉北者(北に拉致された韓国国民)・国軍捕虜など南北間の人道主義的な事案に関わる人権を含むこととしました。
  また、委員会は、北朝鮮の人権問題は、朝鮮半島の現実を冷静に認識し、北朝鮮社会と人権に対する正しい理解に基づいて、平和的でかつ体系的にアプローチしなければならないという点を確認しました。
  一方、委員会は、国家人権委員会法第4条および第30条の解釈上、韓国政府の実効的管轄権の行使が困難な北朝鮮地域での人権侵害行為は、委員会の調査対象 に含まれることができないとみました。ただし国軍捕虜、拉北被害者、離散家族、韓国への定着者などの問題は、韓国国民が直接の被害者であるゆえ、委員会が こうした個別の人権事項を扱うことができるとみました。
  委員会の北朝鮮の人権の改善のためのアプローチの原則は次のとおりです。

 一、 北朝鮮の人権の改善に国際社会が多様な努力を通じて発展させてきた人権の普遍性を尊重しなければならない。
 二、 朝鮮半島の平和は南北の住民たちが平和にくらす権利と直接的に係わるので北朝鮮の人権の改善は平和的な方法を通じて行われなければならない。
 三、 北朝鮮の人権問題に対する議論やアプローチは、北朝鮮の人権状況を実質的に改善させることに目標を置かなければならない。
 四、 北朝鮮の人権問題は政府レベルの活動と市民社会レベルの活動が批判的助言と協力を通じて相互補完的に行わなければならない。


またこの原則を基にして、委員会は次のような政策を提示しました。

 一、 政 府は国際社会との連帯・協力関係を構築・活性化して、北朝鮮の人権が実質的に改善するように努力しなければならない。政府は人権の普遍性の原則、南北分断 の現実と南北関係の特殊性を考慮し、北朝鮮の人権問題がより賢明に扱われなければならないことを国際社会に認識させるための積極的な努力もしなければなら ない。
 
 二、 政 府は北朝鮮住民に対する人道的支援事業を政治的な事案と分離し、生存権保障のレベルで持続的に推進しなければならない。このため政府は人道的支援事業に関 わる分配の過程の透明性を確保するため、適切な措置を講じて北朝鮮の食糧難解決へのより根本的な対策を用意するように努力しなければならない。
 
 三、 政府は在外脱北者の深刻な人権侵害を改善するため積極的な外交的努力をするとともに専門担当を拡充するなど人権保護を可能とするシステムを作らなければならない。ひいては国内の定着者に対する体系的で積極的な人権保護対策をしなければならない。
 
 四、 政 府は離散家族、国軍捕虜、拉北者問題などの人道主義的な事案を解決するために、より積極的で具体的な措置を取らなければならない。政府はこの事案に対し北 朝鮮と条件なく協議し、被害者の苦痛と傷の治癒に努め、物質的・精神的被害に対する補償と名誉回復に向けた関連部署の人材拡充など実質的な措置を取らなけ ればならない。
 
 五、 北朝鮮の人権改善は正確な事実に基づいてこそ実效性が担保される。北朝鮮の人権問題は不確実な情報によって歪曲される憂慮もあるゆえ、政府は客観的で徹底的な情報収集、調査及び評価などを通じて、これを正確に把握しなければならない。


  また、国家人権委員会は、今後、政府の政策に関する勧告または意見表明などを行ったり、国際人権機関及び国内外NGO などとの協力を強化したり、また上述した事案に対し実態調査や政策研究を積極的に行うなど、北朝鮮の人権改善のための多様な活動を持続的に行う意思を示し ました。

出所:韓国国家人権委員会ウェブサイト [韓国語]

(2006年12月08日 掲載)